ずっと続くであろう、このテーマ。
今回は、ノートパソコンにおけるIntel Core第12世代とAMD Ryzen 6000シリーズに話題を絞ります。
結論
筆者の見解は下記になります。
Intel Core 第12世代を選ぶべき人
- Thunderbolt4が使いたい人
- ゲーミング/クリエイター用ノートを買う人
AMD Ryzen 6000シリーズを選ぶべき人
- 薄型ノートでゲームをしたい人(Ryzen 7 6800U)
- 薄型ノートでバッテリー持ちを重視する人
解説
各CPUの特徴を簡単に書くと、次のようになります。
Intel Core 第12世代 | AMD Ryzen 6000 シリーズ | |
メリット | CPU性能が高い Thunderbolt4対応 | グラフィック性能が高い 省電力性能が高い |
デメリット | グラフィック性能はやや劣る 電力消費が激しい | CPU性能はやや劣る Thunderbolt4非対応 |
Thunderbolt4に対応しているのはIntel Core 第12世代のみ
Thunderbolt4にこだわるならIntel Core 第12世代を選ばないと後悔します。
外付けGPU(eGPU)ボックスを接続したい人は、Intel Core 第12世代を選んだ方がいいでしょう。
ただし、ノートパソコンによっては、Thunderbolt4がオミットされて使えないモデルもありますのでご注意ください(ASUS Vivobook 14X X1403ZAなど)。
一方、AMD Ryzen 6000シリーズはUSB4に対応しています。
ただし、こちらも実際にUSB4に対応しているかは、パソコンメーカーの設計によります。よって、USB4に対応しているかや、外付けeGPUが使えるかは、パソコンモデル毎に調べる必要があります。
ゲーミング/クリエイター用ならIntel Core 第12世代
その理由は、「Intel Core 第12世代の方がCPUスコアが高いから」です。
the比較さんにて、AMD Ryzen 6800Hのベンチ結果が載っています。Intel Core i7-12700Hのデータも掲載されているので、比較ができます。
CPU性能を比較できるベンチCINEBENCH R23の結果を一部抜粋すると下記のようになっています。
CINEBENCH R23 マルチコア
CPU | スコア |
Core i7-12700H | 16389 |
Ryzen 7 6800H | 13999 |
Ryzen 7 5800H | 12604 |
Core i7-11800H | 11893 |
Core i7-1280P | 11801 |
CINEBENCH R23 シングルコア
CPU | スコア |
Core i7-12700H | 1823 |
Core i7-1280P | 1664 |
Ryzen 7 6800H | 1522 |
Core i7-11800H | 1511 |
Ryzen 7 5800H | 1435 |
シングルコア・マルチコアどちらのベンチ結果においても、Core i7-12700HはRyzen 6800Hよりも約18%ほどCPU性能が高い結果になっています。
ゲーミング/クリエイター用ノートは、外部GPUを搭載していることがほとんどなので、CPU単体のグラフィック性能を重視するケースは少ないと思います。
また、ゲーミング/クリエイター用ノートは、電源につながなければCPUパワーを発揮できないので、バッテリー持ちを考える必要もありません。
そのため、ゲーミング/クリエイター用ノートを購入するなら、Intel Core 第12世代を搭載したPCを選んだ方がハッピーになれるかもしれません。
なお、スコアの比較結果には、Intel 第12世代 モバイルノート用CPU(末尾Pと末尾U)も含まれています。シングルコアではRyzen 7 6800HよりもCore i7-1280P(末尾P:ハイパワーモバイル型)の方が優れており、CPU性能におけるIntel Core 第12世代の優位性がわかります。
薄型ノートでカジュアルにゲームを楽しむならRyzen 7 6800U
Ryzen 6000シリーズの中でも特に、Ryzen 7(Ryzen 7 6800H / Ryzen 7 6800U)はグラフィック性能が飛躍的に向上しています。
the比較さんのホームページにRyzen 7 6800Uのベンチマーク結果が載っています。
Ryzen 7 6800Uは末尾がUなので、薄型ノートパソコン向けのCPUになります。
グラフィック性能の指標となる「3DMark Night Raid」のベンチ結果を抜粋すると、下記のようになります。
3DMark Night Raid(Graphics score)
アイテム | スコア (Graphics) |
GeForce GTX 1650 | 45149 |
GeForce MX450 | 30425 |
Ryzen 7 6800U LPDDR5-6400 | 30319 |
Core i7-1280P DDR4-3200 | 21606 |
Core i7-1260P DDR5-4800 | 20478 |
Core i7-12700H DDR4-3200 | 20177 |
Core i7-1165G7 LPDDR4X-4266 | 20052 |
Ryzen 7 5800U LPDDR4X-4266 | 17020 |
Ryzen 7 6800UのGPU性能は、
- Core i7-1280Pの1.5倍ある。
- 外部GPUであるGeForce MX450とほぼ同じ性能。
同ページにて「ファイナルファンタジーXIV暁月の終焉」のベンチマークが載っています。1920×1080標準品質(ノート)において、Ryzen 7 6800Uは62fpsのスコアが出ています。
これだけの性能があれば、薄型モバイルノートでも軽めのゲームをカジュアルに楽しむことができると思います。Ryzenを選ぶ意味は大きいと思います。
なお、一つ下のクラスであるRyzen 5 6600Uはグラフィックス名が異なり、GPUコア数が半減します。GPUの性能も相応に下がるはずなので、ご注意ください。
CPU名 | グラフィックス | GPUコア数 |
Ryzen 7 6800U | AMD Radeon 680M | 12 |
Ryzen 5 6600U | AMD Radeon 660M | 6 |
一方、CPU性能においては、Ryzen 7 6800UはCore i7-1280Pに負けてしまいます(マルチで8%減、シングルで14%減)。グラフィック性能よりCPU性能が欲しい人は、Core 第12世代を選んだ方がよさそうです。
筆者はどうするの?
以前より、移動が多い生活になったので、まずはモバイルノート(ZenBook3 UX390UA)の買い替えを考えています。
筆者の現機種がIntelなので、次もIntel Core(第12世代)にするつもりでした(2022年初めの時点)。Intelを使っているなら引き続きIntelにした方がトラブルは少ないという利点もあります。
しかし、Ryzen 6000 シリーズのベンチマークが明らかになった最近は、「可能ならモバイルノートでゲームも軽く遊びたい」と考えているので、Ryzen 7 6800Uの方に傾いています。
ゲームはPS4とSwitchで遊んでいますが、PS4は重くて持ち運べません。
また、PS5だけでなく、PS4ですら品薄で新品が手に入りません(ソニー曰く、再生産されるとのことでしたが、全然見かけません)。それなら、PCで遊んだ方がいいんじゃないかと思っている次第です。
ヘビーに遊ぶようになれば、必要に応じてゲーミングorゲーミングノートに移ろうかと考えています。
<2022年11月11日 追記>
手持ちのZenBook3 UX390UAのディスプレイがお亡くなりになったので、急遽HP ENVY x360 13-bfを購入しました(これを選ぶのにも紆余曲折あった)。
Ryzen7 6600U搭載モデルを狙っていましたが、高すぎて手が出ませんでした(下記詳細)。
モデル | 価格 | やめた理由 |
Zenbook S 13 OLED | 250,000円 | 日本だけ高すぎ(アメリカは1,300ドル) |
Lenovo YOGA 770 | (RAM16GB)170,300円 (RAM32GB)195,000円 | 10月から2万円値上がりした。 |
円安も酷いけど、初めから売る気がないASUSの値付けも酷い。
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